ご挨拶

わたしは浅草見番に所属する、俗に【たいこもち】と呼ばれる幇間という芸人でございます。

その昔、江戸の色街で最高の権威を誇る吉原に遊ぶ旦那衆を相手に、即興的な、しかも上質の芸を披露しました。厳しい芸道を継承する幇間は現在浅草の花柳界にたった7人が残るだけです。

その中の一人であるわたしは浅草を拠点に東京の花柳界はもとより、金沢・京都・博多など、祝宴、個人の宴席と全国どこにでも伺い、楽しい酒席を幇(たすける)ことに徹しております。
花柳界に伝わる江戸の座敷芸をお楽しみください。

※2016年(平成28年)年度文化庁長官表彰を受賞しました。

東京浅草組合 櫻川七好

櫻川七好
写真 福田文男

プロフィール

櫻川七好(さくらがわしちこう)

出身
北海道室蘭市
職業
幇間(ほうかん)
日々の楽しみ
海釣り、ゴルフ、競馬観戦、観劇、ふらっと一人旅
やってみたいこと
日本の離島巡り
昭和49年
劇団「展望」入団
昭和53年
劇団「展望」退団
劇団「民衆舞台」入団
昭和57年
劇団「民衆舞台」退団 以後、フリーで他劇団客演
平成5年
悠玄亭玉介一門である櫻川米七に弟子入り
平成6年
東京浅草見番よりお披露目を果たし、現在に至る

座敷芸演目

踊り
かっぽれ、奴さん、深川 など
当てぶり
芸者さんの一日、どうぞ叶えて、都々逸振り、狂言振り
屏風芸
たいこ腹 ほか
獅子舞
お正月の宴席、婚礼、会社創立記念日 など

主な舞台公演

平成16年
三越劇場「櫻川七好の会」
平成21年
三越劇場「落語と芸者と幇間と」
平成21年
熊本県八千代座「七好と仲間たち」
平成22年
熊本県八千代座「座敷舞と津軽三味線」
平成23年
熊本県八千代座「七好と仲間たち」
平成23年
ルーサイトギャラリー「座敷おやじ」
世界一周豪華客船ぱしふぃっく・びーなす号にて公演

主なテレビ出演

  • NHK 列島リレードキュメント「40歳からの天職」
  • NHK 大河ドラマ「徳川慶喜」「元禄繚乱」
  • NHK 特番「江戸の頭脳に挑戦」
  • NHK 正月時代劇「雪之丞変化」

主なラジオ出演

  • TBSラジオ 「大沢悠里のゆうゆうワイド」
  • NHK-FM 「日曜喫茶室」

わたしが“たいこもち”になったきっかけ

お座敷で「お前どうして幇間ほうかんになったんだ…?」と問われることがあります。
そんな時、すぐさま「実は旦那、わたし遊びすぎまして。親に勘当されまして、この商売にたどりつきました。」と言いたいのですが、残念なことにわたしはお金に糸目をつけずに遊んだことはありません。
偶然なことなんです。今の商売の前、新劇の役者をやってました。そんな時、浅草の新内芸者宮ふじ姐さんの半生をとりあげた芝居があり、役で幇間になったんです。それを観て宮ふじ姐さんが

お前さん、役者より幇間のほうが向いてるかもしれない。やってみたら?

そんなひと言からわたしの幇間人生がはじまりました。
戯曲:市川夏江

たいこもち(幇間)の由来

金のこはぜ

私の記念の会に、ご贔屓さん5人で24金のこはぜの足袋を作ってくださいました。柄は鯛と平目の舞踊りです。
なぜ金のこはぜか?むかしの人は見えないところに贅を尽くしたのです。

  • 金のこはぜ
  • 宮ふじさんのお嬢様から頂いた形見の品の懐中時計です
  • 宮ふじさんのお嬢様から頂いた形見の品の懐中時計です

切手

私の芸が切手になりました。

  • 切手
  • 切手
  • 切手

わたしの好きな「どどいつ」

お酒呑む人
花ならつぼみ
今日も
明日も
向こうのひさし
ぶりが一ぴき下がっているヨ」
これがほんとの
久しぶり
けんかした時
この子をごらん
仲のよいとき
できた子よ
久しぶりだな
何から先に
お燗つけよか
帯とこか
夢で会うのが
何よりうれし
夢にゃうわさは
たてられぬ

どどいつ(都々逸)とは